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【映画レビュー】『バベルの学校』(2013)

普通に日本で生きているだけでは知らない世界がここにはある。

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この映画では、人種も宗教も言語も全く違う子供たちが、迷いながらも懸命に生きている姿が映し出されている。いつ命すら危ぶまれる場所に戻されるかわからない少女は、なぜ自分がその状況に置かれているのか十分に納得できずに反発してしまう。人種問題のため家族で逃げてきた少年は、勉強する間もなく慣れないフランス語での移民局との交渉に時間を費やす。

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最初に感じた事は、いかに自分が画一的な世界で育ってきたのか、「マジョリティーである」事で守られてきたのかという事だ。
子供たちは、宗教や人種について積極的に議論をしていた。日本ではタブーとされ、このような議論をせずに、その場を収めようとする。しかし、彼らは積極的に自分の考えを示している。まだ彼らも他人の意見との違いを認め合う事は出来ていないかもしれない。しかし、多様性の中を確実に生きている。

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彼らは壮絶な人生を歩んでいる。少なくとも普通に日本で生きてきただけの私にはそう感じられる。将来、彼らが社会に出てきた時、本当に芯のある強い人間になっているであろう。
日本にも障がいを持たれている方、外国籍の方、セクシャルマイノリティーの方、在日の方など多くのマイノリティーの方がいながらも、その存在を意識して生活している人は少ないように思われる。本当に大切なものは何なのか、そのヒントがこの映画にはあると思う。

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1月31日には遂に劇場公開を迎えます!是非とも時間を見つけて、観て頂きたい作品です。
公開に合わせて、認定NPO法人 Teach For Japan 代表理事 松田悠介さん、特定非営利活動法人 こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ 代表理事 川辺洋平さん、国際バカロレア機構アジア太平洋地区委員/東京インターナショナルスクール代表 坪谷ニュウエル郁子さん、元文部科学省審議官/カタリバ大学学長/映画評論家 寺脇研さんと、超豪華ゲストのトークライブも開催されるそうです!こちらも是非!
http://unitedpeople.jp/babel/talkevent

以下、配給元のユナイテッドピープル様のメルマガより引用です。
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フランス映画『バベルの学校』 1.31(土)劇場公開決定!
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24人の生徒、20の国籍、24のストーリー。
フランス中を感動に包んだドキュメンタリー。

ジュリー・ベルトゥチェリ監督作品(『パパの木』、『やさしい嘘』
(カンヌ映画祭批評家週間賞)) 映画『バベルの学校』が、1月31日(土)
より新宿武蔵野館/渋谷アップリンクにてロードショーが決定しました。

詳細はどうぞオフィシャルサイトをご覧ください。

●映画『バベルの学校』
http://unitedpeople.jp/babel/
https://www.facebook.com/babelnogakkou

「子どもたちの無限の可能性を引き出す本当の教育とは何か。
原点をじっくり教えてくれるこの作品。
ぜひ多くの教育関係者、親たちに見てほしいです。」
– 教育評論家/法政大学教授 尾木直樹(尾木ママ)

STORY:
アイルランド、セネガル、ブラジル、モロッコ、中国…。世界中から11歳から
15歳の子どもたちがフランスにやって来た。これから1年間、パリ市内にある
中学校の同じ適応クラスで一緒に過ごすことになる。 24名の生徒、20の国籍…。
この世界の縮図のような多文化学級で、フランスで新生活を始めたばかりの十代
の彼らが見せてくれる無邪気さ、熱意、そして悩み。果たして宗教の違いや国籍
の違いを乗り越えて友情を育むことは出来るのだろうか。そんな先入観をいい
意味で裏切り、私たちに未来への希望を見せてくれる作品。

監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
編集:ジョジアンヌ・ザルドーヤ
オリジナル音楽:オリヴィエ・ダヴィオー
サウンド:ステファン・ブエ、ベンジャミン・ボベー
ミキサー:オリヴィエ・グエナー
制作:Les Films du Poisson、Sampek Productions
共同制作:ARTE France Cinema
配給:ユナイテッドピープル
原題: La Cour de Babel
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
フランス/2013年/フランス語/89分/1.85:1/カラー/5.1ch/ドキュメンタリー